太郎山(2,368m)/山王帽子山(2,077m) 栃木県
日程:2017年5月28日
天候:曇のち快晴
行程:光徳駐車場5:27→7:08登山口→10:00太郎山11:00→11:29小太郎山→12:53山王帽子山13:00→13:32旧山王峠→14:25光徳駐車場
■トイレあり/登山ポストなし/駐車場50台ほど
≪太郎山山頂から日光白根山を臨む≫
こんばんは。ひつぞうです。
この週末は日光三山の一座「太郎山」に登りました。
山行リストに載せたまま、埃を被った計画になっていましたが
ようやく願いを適えることができました。
それではいつもの山行記録で。
【今回のルート】
★ ★ ★
初めての日光は男体山だった。
金精峠を越えた途端、前触れなく現れたその姿は
巨魁で神々しく圧倒的だった。
思わずカープの脇道に車を停めて、まさに暮れなんとする太陽の
残照を浴びて深く黄金色に輝く山肌をカメラに収めたものだ。
それから季節の折節に日光に通い続けた。
表日光縦走(女峰山〜小真名子〜大真名子)。
裏日光縦走(白根山〜温泉ヶ岳〜鬼怒沼山)。
最後に残ったのが太郎山(たろうさん)だった。
この「最後に残る山」というのがいけない。
僕だけのジンクスだろうが、何度も計画しては
雨風に祟られ中止を余儀なくさせられた。
この週末。土曜は曇のち雨。
日曜の午前中は、朝のうち雲が残るが、午後は回復傾向の予報。
霧で視界5mの「いろは坂」を駆って、光徳無料駐車場で車中泊。
前週の越後の暑さが嘘ように肌寒い。
それもそのはず。ここは高度1,430mの高地。
翌朝、郭公の響き渡る啼き声で眼を覚ます。
とても広く清潔な駐車場だった。
朝食を手早くすませて林道を歩いて志津峠方面へ。
湯殿沢橋の先の登山口を目指す。
太郎山には山王峠(山王帽子山)経由でピストンするのが一般的。
ただそれでは面白くない。
長い林道歩きを強いられるがそれも登山の範疇。
光徳から周回縦走することにした。
時計廻りだと標高の低い山王帽子山を経て太郎山でゴールする。
アップダウンに耐えて登頂する達成感も棄て難いが
反時計廻りだと、朝日に黒光りする大真名子と男体山のダイナミックな眺望を背に
登ることができるし、山王峠の笹薮も乾燥するため朝露にやられずにすむ。
ルートは決定した。
梵字飯場跡に駐車スペースが設けられている。
すでに数台が停車していた。
驚いたことに、その先は進入禁止のバリケードで封じられていた。
「落石が頻発するので進入禁止にする」と説明文が貼られていた。
乗り入れできた時も、志津峠は確かに原則駐車禁止だった。
それでも入山する車に、地権者の二荒山神社が業を煮やしたのか。
少しづつ坂になってきた。樹間の三岳が群雲から姿を覗かせる。
早く晴れてくれないかな〜。
平成25年竣工の「新湯殿沢橋」の上から男体山を撮る。
不思議だよねえ。なんで麓から見ると円錐形なのに
平べったく見えるのだろう。
志津峠への分岐を過ぎて20分ほどで登山口に着く。
林道は先まで伸びている。お喋りに夢中になって通り過ぎないように。
ダケカンバが並ぶちょっと平坦な場所を過ぎると…
このルート一番のフラワーロードにつく。
石楠花の群生地なのだ。
去年はいまいちだった石楠花もここでは期待できそう!
昨夜の霧雨に刺激されたのか、宝石のような蕾がたくさん開いていた。
ただでさえ痛みやすい花弁。
ここまで傷ひとつない姿を観察したのは初めてかも。
まだまだこれからだね〜。
来週末は見頃かもね。
ふと足許に眼を落すと、小さなピンクの落としもの。
見上げると峰桜の枝が臙脂色の新芽を広げつつあった。
場所に寄ってはまだ綺麗な花を見ることもできる。
桜餅が食べたくなってきた。
おっ。遂に完全にガスが抜けたよ!
今日の登山、期待できるかも!
フラワーロードは「新薙」の崩壊で
場所によっては大きく抉れている。
だ〜れもいない。
男体山は人で溢れ返って大変な一日になるだろうな。
こんなに天気が好いのだから。
かえって寂峰の好さを感じられていい。
日光山岳連盟の風格ある道標。
いよいよ表日光の主脈が針葉樹の間から見え始める。
いや〜ほんとに大きい。
左が大真名子で、右が男体山。
造りが同じ火山なので双生児のようだ。
樹間をつめて行くと、少し荒れた感じになってくる。
ここが核心部だった。
写真では判らないが、一枚岩があって足を掛ける場所がない。
バランスで摩擦を維持して身体を持ち上げる。
けっこう大変だった。
おさる、よく登ったね…。
「ほんとはさ、もっと楽なルートがあるって判ったけど
自分だけ登ってもさ、面白くないじゃん?」
ほんとだ。左側から巻けば簡単に登れたのだ…。
まあいいです。険しいほど山は達成感があるのだ!
遮るものがなくなってきた。
この辺りから「日光三険」と呼ばれる難所のひとつ「新薙」。
期待したほどのことはなかった。
普通のガレ場のトラバース。
確かにザックを岩(写真の中央)に引っ掛けると厄介。
ちなみに残りの「三険」は女峰山「馬の背渡り」と大真名子「千鳥返し」。
全部通過したがさほどでもなかった。
ザレ場の直下はこんな感じ。
登り詰めると火口原に出た。
ここは雰囲気がいい!一度きたかったのだ。
「お花畑」の名称があるけど、それほど咲き乱れる訳じゃないらしい。
でもほんと景色がいい。久住山を思い出す。
どこがどう似ているとは説明しにくいけれど。
左ピークの奥が山頂。
山頂に到着。すでに3パーティが休憩していた。
太郎山も信仰の山。太郎権現の立派な祠が設えてあった。
上空に雲が残っているが、素晴らしい眺望だった。
裏日光縦走路が綺麗に見える。
左から白根山、金精山、温泉ヶ岳、そして根名草山。
手前には山王帽子山と、その奥に潰した饅頭のような三岳の姿。
陽が翳ったり、顔を出したり。
その度にシャッターを切るひつぞう。
忙しくて落ちついて景色を堪能する暇がない。
これから下山する小太郎山をいただく稜線が目前を遮る。
奥には中禅寺湖。さらに奥には袈裟丸山から皇海山に至る稜線。
雲がどんどん湧きあがる。
女峰山方面はガスの中で確認できなかった。
取材に忙しいひつぞう。
それを呆れて見つめるハイカーの皆さん。
登ったど〜!
我慢できず真似するおサル。
だっておサルはおサルだもん。
天気もいいので一時間ほど食事をして
景色に酔い痴れる二人だった。
(つづく)
※思った以上に写真が多くて、今回も二回に分けます。
いつもご訪問ありがとうございます。