包帯はたらくを楽しもう

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包帯はたらくを楽しもう

包帯微笑むプレミアム。

こんばんは

いまさっきテレビで見て

すごいの一言

感動した～

この2～3分のために

どれだけの練習したんだろ

どんな思いでがんばってきたんだろう

PVもあったよ

それにしても懐かしいね

今日は台風のせいかな

むくみが嫌な感じ

お風呂出て足指を巻き巻きして

弾性チューブ包帯も巻きました

少しでもスッキリするといいなぁ～

1974年の包帯

「ハッハッハッ…」

友梨奈はある場所を目指してひたすら走っていた。

走り込みは普段から部活で慣れている。

しかし、それ以上に心臓がバクバクしていた。

～～～

～十分前～

〈♪♪♪〉

放課後になり理佐や愛佳と体育館に向かう友梨奈の携帯に普段聞きなれない音が鳴り響いた。

『ん？電話？』

『だれよ？』

愛佳と理佐は不思議そうに友梨奈をみる。

『あ…ねる…』

着信の相手は“長濱ねる”だった。

すかさず電話に出る友梨奈。

『もしもし？』

（あ、もしもし、友梨奈ちゃん？）

『え？』

電話の向こうの相手がねるではないのは明らかだった。

（ねるの母です）

『あ…』

久しぶりに聞くねるのお母さんの声

でも、いったい…なんで電話なんて…？

（突然ごめんなさいね、ねるの携帯の着信履歴の一番上があなただったから…）

『あ、はい、最近ねると再会して…』

（うん、ねるから聞いてるわ。あのね、友梨奈ちゃん。ねるが総合病院に運ばれてーーー）

『…！！！！』

～～～

ー総合病院ー

私は話を最後まで聞かずに電話を切り部活もそっちのけで走り出した。

もう、どれくらいの時間が経ったんだろう。

とにかくずっと走り続けた。

「ハァハァ……」

病院には着いたが友梨奈には一つだけミスがあった。

いったいねるはどこにいるのか…。

ちゃんと電話で聞いておかなかったことを後悔した。

（友梨奈ちゃん？）

ロビー近くの売店からビニール袋を手に提げて出てきた一人の女性。

「あ…」

（来てくれたのね、こっち）

たまたま会ったのはねるの母親だった。

友梨奈はとにかく焦る気持ちを抑えて背中を追う。

ーーー

ーICU前廊下ー

友梨奈が連れてこられたのはあるガラス張りの部屋。

普通の病室とは雰囲気も違った。

しかも、廊下からベッドの上で横になるねるを見つめるだけの状態。

ここからでもねるの頬のガーゼと、包帯が頭に巻かれているのが目に飛び込んできて痛々しかった。

ねるが寝ている布団の端からは心電図モニターや、点滴へと管が伸びていた。

「………」

（ねるね…目が見えなくなってきてるの…）

「え……？」

衝撃の事実に驚きを隠せない友梨奈。

（症状が進行してて…視界もどんどん狭くなってきてて…そしたら横断歩道上で車と接触して…）

「…！！！」

※“あの時”私の手を掴めなかったのは

やっぱり目が……

（将来的には目が完全に見えなくなったり、あとはーーー）

説明するねるの母親の言葉は、BGMのようなもので、友梨奈はベッドの上で眠るねるをただただ見守った……。

ーーー

ーー数日後。

一般病棟に移ったねる。

あれから、友梨奈は学校や部活が終わると病院に来るのが習慣になっていた。

「てっちゃん」

「ん？」

「てっちゃんってさ、太陽ってつかまえたことある？」

「太陽つかまえたこと？ないよ」

「なーんだ、ないのかぁ…つかまえてみたいなぁ太陽…」

「太陽なんてつかまえれないよ、あんな遠くにあるんだよ？それに熱くて近づけないよ、絶対無理」

「そうだよねぇ…」

この時、ねるの言葉の意味を友梨奈はちゃんと理解していなかった。

のちにその意味を知り後悔するのだが……

“後悔先に立たず”まさにこの言葉が友梨奈に重くのしかかることになるーーー。

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