2015年に登場した現行ステップワゴンは5代目。機能性を追求した乗用車感覚で乗れて十分な広さがあり、ミドルサイズミニバン試乗を本格的に開拓した一台ではないかと思います。
ステップワゴンの乗り味は、低床プラットフォームにあると思っていて、動く床の上に座っているような低重心感が印象に強いです。3, 4代目には長距離ドライブでも乗りましたが、カーブや山道でも不安感がなく、左右に揺すられる感覚も少なかったです。高級感や華やかさこそないものの、家族のための機能性を煮詰めたようなクルマですね。
今回は、ミドルサイズミニバンは居住空間としては当然5人乗りに適していますが、どういう点がライバル他車より優れているかというポイントでご紹介したいと思います。
5人家族でのドライブを楽しむ基本性能は高評価!
あの辛口評論家も納得の乗り心地
乗り心地にうるさい評論家の一人、国沢光宏さん。国沢さんもイチオシの乗り心地が新型ステップワゴンの一番のウリではないかと私は思います。
何故かホンダ車に縁がある私ですが、ホンダ車共通の乗り心地として、細かい凹凸を結構拾うのが難点だと思っています。コツコツ感じるんですよね。運転する方としてはフワフワするよりダイレクト感があってイヤではないですが、高級感のある乗り心地とは思えません。
モビリオ、フリード、ステップワゴン、CR-V、エディックス、インテグラなどなど、この辺りの価格帯のクルマに共通しているように思います。狙ってやってるんですかね。スポーティー感出したいのかもしれませんが、特に後部座席に座ると上下に揺すられる感じがしてしまっていました。
新型は改善されていてホンダ車随一という評価。「乗り心地」は、絶対的数値で見れないし、結構好みも出てくる要素。運転席だけの乗り心地ではなく、各列でどう感じるかチェックしたいですね。
優れた静粛性で家族の会話もスムース
ミドルサイズミニバンの室内空間の静かさは、セレナがトップとして評価されることが多いです。ステップワゴンはその点徹底的に見直され、エンジン音の他タイヤの音(ロードノイズ)の対策も向上。騒音レベルの絶対値クラストップ水準だが、それ以上に妙に会話の声が通りやすいという評論家の評価もあります。体感の個人差はあるでしょうから、乗り心地と合わせて一度試乗で体験してみてくださいね。
機能面では堅実な進化。見どころはたくさん
わくわくゲート
新型ステップワゴンの一番の特徴と言えば、バックドアが家のドアのように開く「わくわくゲート」。思いバックドアを開くほどでもない荷物の出し入れや、3列目の人だけ降りたいシーンに重宝するというのがウリ。
しかし、3列目だけ降りるシーンがどれだけありそうか生活シーンを考えてみてください。3列目から出入りするには、3列シートの片側は収納しておかないといけません。出入りするには、収納した片側の上に荷物を置くのも邪魔になります。実際あまり使わないのではというのが正直な意見です。
2列目がキャプテンシートのモデルでは、ウォークスルーでスライドドアから出てもOK。ベンチシートの8人乗りが欲しいけど、普段から3列で使うことが多いのであれば、乗り降りで2列目を動かす必要がありませんので、メリットはあるかもしれません。
乗り降りの際には、3列目の片側のシート背面の上を歩くことになります。子供の泥が付いた靴が歩くことを想像すると、背面汚れることや隙間から砂がシート表面にも入りそう。男児3人の父親である私としてはちょっとイヤです…w
1.5Lターボエンジンはパワフルで家計に優しい
ダウンサイジングターボは排気量が1.5Lとフリード・シエンタと同サイズ。そのため年1回に支払う自動車税が34,500円と、他のミドルサイズミニバンよりも5,000円安いです。排気量が小さくてもターボ技術の進化は凄まじく、ライバルの半分以下の1,600rpmの低回転から同等以上のトルクを発生し続けられます。少なくともパワー面引けを取る心配はありません。
異様に低回転から十分なトルクを得られることから、ライバルよりも回転数を低く維持し続けられ、エンジン音が静かだというメリットもあります。ハイブリッド車に比べれば燃費こそ数値で勝りませんが、ゆとりあるパワー感はライバル車のガソリンエンジン車と比べると大きなメリット。ガソリンエンジン車同士で比較するときのポイントとしてください。
ホンダセンシングは日産プロパイロットに一歩及ばずか
新型セレナとステップワゴンは、自動ブレーキの性能でノア/ヴォクシーを一歩リードしています。自動ブレーキに付随するアダプティブクルーズコントロールも比較したいポイント。家族のお出かけには渋滞や高速道路での長距離ドライブも多いです。クルーズコントロールを使えば楽に燃費走行ができるので、長距離ドライブの頻度によっては積極的に評価したいですね。
最新のクルーズコントロールの優先評価項目としては、全車速対応(渋滞時に停止・再発進)か、自動車線キープ機能があるかを挙げたいです。特に関東のひどい渋滞では、低速での先行車追従機能が行楽帰りのお父さんには強い味方になってくれるはず。また、車線キープ機能も想像以上に楽です。ハンドルに手を添えておけばよいだけ。クルマを車線に沿っては知らせるという単純な行為におもったよりも神経を使っているんだなと実感しますよ。
さてステップワゴンがどうかと言うと、レーンキープアシストはありますが、自動停止・再発進がありません。30km/h以下で先行車に自動追従しなくなります。高価ではありますが、新型セレナが一歩リードしていますね。新型セレナのプロパイロットは、前車の加速に追従するのにもたつきがあるという評価が目立ちますが、ホンダセンシングもそんなに優れているわけではないそうです。運転の自然さはスバルアイサイトがワンランク上のようです。
自動運転性能にどう評価ポイントを置くかで、セレナとステップワゴンを評価するとどの車種が自分に合っているか判断できるかもしれませんね。
まとめ
ステップワゴンはコンパクトでまとまりのある見た目が逆に人気低迷を引き起こしているようです。角張った先代のデザインの方が人気あったみたいですね。人気低迷による値引き幅の拡大からフリードと比較検討される方も出てきている状況です。
逆に乗り心地やエンジンなど車体自体は評価は確か。デザインが嫌いでなければ良い車だと思います。人気低迷からデザインが見直されるという噂もありますから、マイナーチェンジを待ってみるというのも賢い選択かもしれません。ハイブリッドモデルも追加されるという噂もありますしね。
機能面だけ見ると5人家族にはミドルサイズミニバンは最適だと思います。ミドルサイズミニバンが欲しい方はあとは、本記事に書いたライバル他車との比較ポイントを見て是非比較試乗に挑戦してみてください!
ではでは
関連情報
以下のサブブログでは、ステップワゴンの詳細を掘り下げています。
検討中の方は是非!