メールの返信は早かった。
本当に申し訳ありません。
酷いことをしたのに
たくさん助けていただいたのに
こんなにもいい人を裏切ってしまい涙がでました。
私は人として最低です。
どう償えばよいかわかりませんが
ウツキさんが書いてくださったように
これからは自分の足でしっかりと立ちたいと思います。
本当にすみませんでした。
*保存ができておらず記憶から起したので
大まかなニュアンスで書いています。
大体こんなような内容だった。
素直な彼女の心情に触れ
メールをしてよかった。と安堵した。
その後も少しメールのやりとりをし
彼女が既に家に戻っていること
私のメールは帰宅するタクシーの中で読み
倒れた原因ではなかったことを知った。
(多分、携帯で怒鳴りつけ親にバラすと脅したところから
一気に緊張が高まっていたのかも)
彼女が、見舞いの品は
顏を合わせて受け取りたい。と言うので
私は古家の呼び鈴を押した。
彼女が2階から降りてくる音がして
玄関が開くと彼女は既に泣きそうな顔をしてた。
大丈夫?と声をかけると
はい、すみません。と
食料を手渡し、その場を後にしようとすると
彼女は封筒に入ったお金を渡そうとする
↑
こんなことはじめて!いつもご馳走さま〜だけなので。
そんなつもりはない、ちゃんと食べて元気になりな。
そう言う私に彼女は家に上がってくれと懇願する。
玄関の中に入ると
彼女は玄関マットの上になだれ込むように
申し訳ありませんでした。と言い
たちまち泣き崩れた。
「申し訳ありません・・・・」
うわ言のように何度も繰り返す。
今日は、その話はいいから・・・
何も言わないで。
今はそういうつもりはないの。
ただ、心配だから来たの。
お互いに元気になったら話をしましょう。
私はこの場面で話すことは避けたかった。
弱々しい姿を見れば対峙する姿勢がブレてしまうだろう。
私のこれまでの苦労(証拠集め)や
抱えた怒りや悲しみが宙ぶらりんになる。
どんなに同情できても
やっぱり私は、彼女に
社会人として、人として
責任を果たしてもらい決着としたいのだ。
それが互いのためになると思った。
タオル地のネグリジェを着た彼女は
身体の線が一回り小さくなっていた。
私も痩せてしまったが彼女も同じだった。
私が、もういいからと声をかけても
一向に顏を上げず、泣き崩れるばかり。
むしろ、嗚咽は益々ヒートアップし
止めないと過呼吸発作を起こすレベルと思われた。
仕方なく、
少し上がらせてもらうねと声をかけ
彼女の肩を抱いて立たせ
1階のキッチンテーブルに座らせた。
ふいに、この肩を夫は何度も抱いたんだと思うと
どうしようもない哀しみが込み上げた。
夫が二人の女を地獄に落とした。
滲むように怒りが、この有様を呪った。
つづく