あんしんは不二子

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あんしんは不二子

負けた私が悪いのですが、どうかハズレ不二子はゴミ箱へ。

改めまして、『極道幼稚園』終わりました。

ありがとうございました！

お客様から楽しかったとのお声をたくさん頂戴し、ありがたく思っています。

放課後ランナーに入って初めての公演でした。

稽古をしていく最中でみんなのことも知っていけて、

ただの共演者ではなくて仲間とはこういう感じなのかーとかぼんやり思いながら過ごしました。

個人的なみんなの感想。。。何様感想、、、。

朝倉くん

絡んでみたいと思っていた役者さんの1人。

絡みないなーと思っていたけど、最後の方の糸電話のシーンで直接ではないけど会話できるシーンが出来た時にはめちゃくちゃ喜びました。

朝倉くんは顔がうるさいのもかなり魅力的ですが、黙ってただこっちを見てる、みたいな顔もすごくいいので、いつかうるさくない役も見たいなと思います。

「本田圭佑でんな！」で客席がシーンとする瞬間がすげー好きだった。

和泉さん

オールマイティーに無理なく色んな役を演じられる娘さん。ダンスもできるし、次はどんな顔を見せてくれるのだろうと楽しみにしてる人も多いのではないだろうか。

（今回の役の）不二子のメイク、よかった。

ミチコ先生に連れて行かれる時の動き、マジかわいかったです。

颯希さん

小柄でかわいいのでつい忘れちゃうけど動ける娘で、序盤の、ヒロママを威嚇（？）するシーンの動きのキレが良すぎて面白かった。

小屋入りしてから芝居もみるみる良くなってた。

いつも私を運ばせるの申し訳なかったけど、後半は信頼しきってすべてを任せていました。

ほんまにありがとうございました。

オープニングの個人ダンス、かわいかった！

利輝斗くん

りきとくんはプライベートがおもしろすぎて本当に話題に事欠かない子だった。

イケメンなのにアホで、

誰よりも極道感あるのにピュアで、

若いのにアナログで。

舞台も2回目で、こんなに台詞を喋ったのは初めてというから驚きだった。

個人的に、トゥルトゥルのシーンと、ラストの叫ぶシーン、よかったです。

下手から2人で出るシーンの前、壁に寄り添って2人で体育座りで待機してる時間がおもしろかったよ。

ゆいねーさん

ねーさん。とにかくねーさんにはありがとうと言いたい。外からみんなをよく見てくれた。

2人で作業することが多くて必然的によく連絡したしお話しした。たくさん助けてもらった。

絡みも1シーンあって、嬉しかったです。

シリアス担当、ほんまにお疲れ様でした。

ギャグ担当とは違うエネルギーをすごく使うと思うし、ぱっきりシーンを変えていかなきゃいけない役割も物語上あるので、大変だっただろうと思います。

お客様にとって、内容は重いけど、ギャグシーンのうるささから解放されるホッとするシーンでもあったと思います。

歩くん

歩くん、初めての座長としての公演お疲れ様でした。よくやったと思う。（私は何様なのか）

役は変な声だし、小道具多いし、殺陣はあるし、役柄的にもあんまりやったことない役だったのかな？ギャグ的な。イケメンがギャグやるのって難しいと思うけど、その抵抗があの装飾物たちで少しでもなくなってたとしたらそれは正解だったんだなと今にして思います。

文句いっぱい言ってごめん。笑

殺陣迷惑かけてごめん。そしてたくさん意見聞いてくれてありがとうございました。

月のさん

絡みたいと思っていた役者さんの１人でした。だからたくさん絡めて嬉しかった！

つきのさんは真面目で探究心もあって潔癖症ですごくいい子だ。彼女が自主練をしまくる娘だったので、私も沢山稽古できてまじ嬉しかったし助かりました。稽古しすぎたせいで、つきのさんとのシーンが1番多いような気がしていたけど、本番開けてみたら1シーンしかなくてめっさ寂しい気持ちになりました。

おっぱいたくさん触りました。ありがとう。（←？）

オープニングのダンス、可愛かったです。

埴生くん

ある意味1番疲れたであろう埴生くん。

お客さんにたくさん愛されてよかった。

メイクした顔が三浦春馬みたいだった。

てか全然絡みなかった。

でもダンスは位置が近かったのでたくさん質問したりしました。ありがとう。

君こそ次はどんな役をやるの？？

1番謎です。笑

敬子さん

仕事も大変な中ほんまお疲れ様です。

毎日変わるあの歌のシーン、ほんまお疲れ様です。あのシーンのプレッシャーは想像したくもありません（笑）敬子さんだからできたことだと思います。

小屋入りしてから一緒に買い出ししたりごはん食べたりして、楽しかったですー

桃井さん

ももちゃんにはマジで足を向けて寝られない。

おっぱいすごかった。

園児で一緒にひばり組襲撃できて嬉しかった。

なんか、変態みたいな発言しちゃうけど、園児の時の脚が、なんかよかった、、、（変態か）

皆が心の闇をくらうシーンの真ん中で行われるチエミとお母さんのシーン、ほんとよかったな、、、。同じ舞台上にいましたけどすごく刺さりました。正面から見てみたかったな。

てかほんとおっぱいすごかったな、、

こぼれちゃうんじゃないかと心配だったよ。（いらん心配）

横須賀さん

横須賀さんとは電気アンマのシーンしかほぼ絡みがなかった。

（あ、今思い出したけど朝倉くんとも電気アンマで絡んでたわ。）

何回もごめんなさいね、、、。

どれくらい強くしていいのかいつも探り探りでしたし、

和室で稽古の時は上履き履いてなくて直だからなんか申し訳なかった。とりあえず無でやってました。

おむつでの初登場シーンがどう見たって介護老人、もしくはイエス、もしくは落武者で、

ヒゲとロン毛って面白すぎるなと思いました。

髪切るってさっき呟いてたけどどれくらい切るつもりなんだろ？

若井さん

裸頭は見た目がほぼこち亀の海パン刑事でした。

単純に面白い見た目だけど、身体もしっかりしてるからずっと見ていられるという真逆の凄さよ。

でもスーツ姿もかっこよくて、それがダンスのシーンしかないのが勿体無かった。

あと、役が決まる前、皆が代わる代わる色んな役をやってた時、若井さんはイロモノも面白いけど普通の芝居もすごくいいと感じました。めっちゃシリアス、見たいです。

打ち上げでわたしのことをずっとカールじいさんと笑ってたこと、忘れんぞ！笑

似てたけどな！笑

わたなべさん

わたなべさんとは誰よりも絡みたいと思いつついややはり怖い、と思っていたけど、実際絡めて楽しかったです。1シーンだけだけど。

殺陣も指導してくれてありがとうございました。

舞台上でも舞台下でも、信頼しかなかったです。

本番中、最後のシーンを一度褒めてくれたこと、忘れません。嬉しかった！

「長い。一休さんみたいになっちゃう」のシーンがめっちゃ好きで、笑いが起きた回は「勝った！」と思ってました。

ちーさん

ちーさんとの絡みはマジ一瞬しかなかった。

同じシーンで舞台上にいたことはあったけど。

だからよく見てた。

トイレのシーンでヒロに向かって泣くところ、すごくよかった。絶対いい顔してるはずなのにお客さんには背中をむけてるの、勿体無かったなー。と思うけど、それがいいのかもしれないな。

舌をカッコカッコやるシーンの顔、秀逸で最高でしたよ！

多聞さん

巡り巡ってこんな形で共演することになるとは思わず！うれしかったです！

同じシーンありませんでしたが！

だからこそ沢山見れたのパターンで！

客演さんなのにたっくさん助けていただいて、ありがとうございました！

おむつ、似合ってました！笑

花柚

ありがとうございました。

これまた客演さんという立場ながらたくさんたくさんフォローしてくださった。

しかもかわいいし。

合理的だし。

小屋入りしてから花柚さんの芝居グッと良くなってた。

組長同士で対峙してるときの後ろ姿、かわいすぎて写真撮りたかった。

花柚さんのリピーターのお客様限定の特典の写真、かわいすぎてやばかった。（受付で凝視してた）

そんなこんなで、皆様お疲れ様でございました。

ありがとうございました！！！

見に来てくれたまりこ。

スーツが似合いすぎる若井さん。

いただいたお花と。

ありがとうございました！！！

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（原作の五ェ門とアニメの五ェ門は、なぜ大きく違っているのか？）

『ルパン三世』にはハカマ姿で剣を振るう、石川五ェ門（注1）というキャラクターが登場する。

しかし、原作漫画の五ェ門と、アニメの五ェ門は別人のように違っている。

原作の五ェ門は太い眉にパッチリした目の美青年だが、それをアニメ化したはずのアニメ版五ェ門は三白眼に細い眉の強面の男だ。

また性格も、アニメ版の五ェ門は寡黙で怒りっぽいのに対し、原作の五ェ門は明るく元気な青年で、かなりのギャップがある。

さらに、アニメ版の五ェ門はしばしば「それがし」「拙者」「ござらん」のようなサムライ言葉をしゃべり、堅物かつ女に弱いという弱点がある。ところが、原作の五ェ門はサムライ言葉をしゃべらず、女にも普通にふるまう常識人なのだ。

そこで、それは何故かを調べたところ、アニメの五ェ門は、古郎志先生（ころしせんせい）というキャラクターを原型にしているらしいことがわかった。

古郎志は原作『ルパン三世』１巻５話「サスペンス・ゾーン」に登場する隻眼にハカマ姿の殺し屋で、アニメ版五ェ門と外見や性格に共通点が多い。

また、サムライ言葉や女に弱い性格も、古郎志との深い関連性が見出せる。古郎志「先生」は用心棒の無頼浪人＝武士をモチーフにしたキャラクターだし、古郎志のもう一つの人格・男爵先生は冷酷な性犯罪者だからだ。

一体なぜこのようなことが起こったのだろうか？

実は、原作五ェ門は、原作『ルパン三世』の連載途中の1968年9月、急きょルパンの仲間に追加されたキャラクターだった。原作は、途中でルパンと次元のコンビ物から、ルパン・次元・五ェ門のトリオ物に大幅リニューアルされたのだ（原作4巻61話「トリプル・プレイ」参照）。

一方、『ルパン三世』のアニメ化企画は、原作五ェ門が仲間になる前（1968年夏）に始動していた。アニメ化企画はルパン・次元のコンビをベースにしており、そこへ謎の美女（峰不二子）が絡むというパターンに注目していた。

そこへ原作五ェ門が次元と並ぶ「第二の相棒」として加わったため、アニメ企画側はその扱いに苦慮した可能性が高い。

そこで、アニメ化企画はコンビ路線を継続するために、アニメオリジナルの五ェ門を登場させた。原作を極力尊重するため、古郎志がその原型に採用されたと推測されるのだ。

古郎志がアニメ版五ェ門に採用された理由があるとすれば、次の二つだ。

まず、原作の古郎志はルパンに雇われた殺し屋だが、気に食わないことがあると仕事を降り、気に入った仕事だけを受ける。古郎志は「ルパンには時に協力し、時に反発する」という独自のスタンスが確立しており、相棒・次元の立ち位置と重複しない。

次に、原作中で「ルパンと古郎志は同類だ」というルパンとの関係性が確立していたこともある。ルパンは古郎志の殺しの挑戦に命をかける姿勢に共感し、自分の「予告状」とよく似た古郎志の「挑戦状」を見て同情心を深める。こうしてルパンは騙して殺すつもりだった古郎志を、遂に殺せなくなってしまうのだ。（結局古郎志は死ぬ。）

アニメ企画側にとって、古郎志は主人公ルパンの「”不可能への挑戦”に命をかける、品格ある悪漢」という人物像を表現するうえでも、大変好都合なキャラクターだったと言えよう。

大隅（現・おおすみ）正秋氏演出のパイロットフィルムでの五ェ門は、片目を閉じたイメージカットや、「強敵への挑戦に命をかける刺客」という人物像が古郎志とそっくりだ。

さらに、この脚色はアニメ第一シリーズでも継続された。五ェ門にはやはり片目を閉じる癖があり、殺し屋としてルパンに挑んだ後、ルパンに時々協力する客分的な仲間となる。五ェ門が仲間になる第７話のタイトルは「狼は狼を呼ぶ」で、ルパンと五ェ門が同類であることを主題にしたものだった。

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このような五ェ門のキャラクター差し替えは、以降のアニメルパン全般で継続している。それは、アニメ第一シリーズが再放送で大ヒットし、以後のアニメルパンがアニメ第一シリーズの強い影響下に作られたためだろう。

こうして、サムライ言葉で女に弱いアニメ版五ェ門の方が、原作五ェ門よりも有名になってしまったのだ。

つまり、『ルパン三世』に原作とアニメでギャップがあるのは、原作が途中でコンビ物からトリオ物に変わったことと関係しているわけだ。

本ブログでは、古郎志と原作五ェ門という２人のキャラクターがたどった数奇な運命をくわしく追っていきたい。

※結論は「」「」「」にまとめた（まだ続く）。

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↓アニメ版五ェ門

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↓原作（『新ルパン三世』）の五ェ門

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（原作<旧作・新冒険>の五ェ門と、アニメ第一シリーズの五ェ門を比較する）

そこで、まず、原作漫画の五ェ門とアニメの五ェ門がどれだけ大きく違っているかについて見ていこう。

ただし、原作とは、そのアニメ第一シリーズの原作となった、旧作『ルパン三世』（1967～1969年）および『ルパン三世新冒険』（1971～1972年）のみを指す。

そして、ここでのアニメとは、アニメ第一シリーズ（1971年～1972年）に限定する。旧ル、ファーストなどと言われる最初のテレビシリーズのことだ。

原作『新ルパン三世』（1977～1981年）は、アニメ第二シリーズ（1977～1981年）の放映に合わせて発表された作品なので、ここでは分けて考える。なお原作五ェ門の愛刀「流星」が登場するのは、この『新ルパン三世』からである。

（原作とアニメで全く違う五ェ門の顔立ち）

原作漫画の五ェ門（以下、原作五ェ門）は、つぶらな目に太い眉の、美しい青年剣士だ。

双葉文庫『ルパン三世』２巻に収録された「五ェ門登場」（２８話）を見てみよう。

初登場の原作五ェ門は長髪で、人形のようにパッチリした目の美青年だ。

そして、その服装は十字絣の着物にハカマという、明治時代の書生を思わせるもので、原作五ェ門は師匠の百々地老人のもとに身を寄せている（注2）。

原作漫画（旧作）の五ェ門

原作漫画（新冒険）の五ェ門（一番下の人物）

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ところが、その美青年をアニメ化したはずのアニメ第一シリーズの五ェ門は、原作とは似ても似つかぬ、鋭い三白眼に細い眉の強面の男なのだ。

髪型は長髪で、服装は黒襟のついた薄紫の着物に白ハカマ。そこに書生のような初々しい雰囲気はない。

そして、アニメ第一シリーズの五ェ門を演じたのは、大塚周夫氏。
低くややハスキーな声での演技は貫禄があり、ルパンよりも老けた印象だ。
第５話「十三代五ェ門登場」の冒頭で、ルパンは五ェ門を「剣豪坊や」と評するが、到底「坊や」の声には聞こえない。

強面の顔立ちといい、低く渋い声といい、アニメ第一シリーズの五ェ門は、明らかに原作の初々しい剣士とはかけ離れているのである。

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（錬金術を守る青年剣士が、「殺し屋」に改変された）

また、原作とアニメ第一シリーズでは、五ェ門をめぐる設定やストーリーも全く違う。

原作五ェ門はひたむきな青年剣士だ。

原作五ェ門がルパンを殺そうとするのは、師匠・百々地老人の開発した錬金術を守るため（注3）。また、原作五ェ門の親友・魔山神平はルパンの暗殺を試みるが、逆に殺されてしまう（注4）。

そして原作五ェ門は「古武道の極意書」を狙うルパンと再会、極意書を守るために戦うが、最後には古武道を捨てて、「ルパンクン！」とアジトへ押しかける（注5）。

しかし、アニメ第一シリーズの五ェ門は年齢不詳の殺し屋である。（ルパンたちの年齢設定については第参照）

第５話「十三代五ェ門登場」には錬金術も魔山も登場しない。また、師匠の百地は剣を持った大物殺し屋に変えられている。五ェ門は百地にルパンを殺すよう命令され、ルパンに勝負を挑む。

さらに、第７話「狼は狼を呼ぶ」は、ルパンの狙う物が、極意書ではなく「斬鉄剣の製法の秘伝書」に変更されている。

何よりも違うのは、二人が仲間になるくだりだ。
アニメ第一シリーズの五ェ門は秘伝書の一件が解決した後もなおルパンに勝負を挑み、いつしか二人は大声で笑い合うのである。

そして、原作五ェ門がルパンの「第二の相棒」となって行動を共にするのに対し（注6）、アニメ第一シリーズの五ェ門は、ルパンに協力する時もあれば、離脱する時もあるという（注7）、極めてマイペースな関係を保っている。

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（明るく元気な原作の五ェ門と、怒りっぽいアニメの五ェ門）

興味深いことに、五ェ門の性格は、原作とアニメでは大きく違っている。

原作五ェ門は明るく元気な青年で、常識人の範疇に入る。

だが、アニメ第一シリーズの五ェ門は、オープニングで

怒らせると怖ーい男

引用元：アニメ第一シリーズ『ルパン三世』オープニングナレーション

と紹介されるように、怒りっぽく、気性の激しい一面がある。また、少々単細胞な変わり者でもある。

アニメ版五ェ門のエキセントリックな人物像を象徴するのが、次の二つの強烈な性格付けだろう。

一つは、サムライのような言動をすること。
もう一つは、堅物かつ惚れっぽく、女性が弱点であることだ。

ところが、原作五ェ門はサムライ言葉を喋らないし、女性に対する態度もごく普通なのである。

＊その理由はとにまとめた。

（原作五ェ門はサムライ言葉を喋らない！）

アニメ第一シリーズの五ェ門は、素の一人称は「俺」だが、しばしば自分を「某（それがし）」と呼び、時代錯誤な堅苦しいサムライ口調で話す（注8）。

例えば、第５話「十三代五ェ門登場」で、居合に拍手をされてムッとした五ェ門は、次のように話す。引用しよう。

これは曲芸ではござらん　拍手など迷惑至極

引用元：アニメ第一シリーズ『ルパン三世』第５話「十三代五ェ門登場」

また、ルパンに不二子を紹介するときの言い回しも幾分奇妙なものだ。

紹介いたそう。こちら峰不二子ちゃん、つまりそれがしのガールフレンドで。

引用元：アニメ第一シリーズ『ルパン三世』第５話「十三代五ェ門登場」

五ェ門はルパンに仰々しい「果し状」を送りつけ（注9）、「武士道とは死ぬことと見つけたり」と『葉隠』の一節をつぶやくなど、武士を意識した行動をする（注10）。

しかし、原作五ェ門は全くサムライ言葉を喋らない。

彼が時代に合わない和服に身を包むのは、極度の「洋風嫌い」だからだ。五ェ門は煙草やライターを拒んでキセルと火打石を使い（注11）、椅子を斬り捨てるほど西洋風を嫌っている（注12）。

原作五ェ門の一人称は「おれ」や「わたし」で、ごく普通のべらんめえ言葉（注13）や丁寧語（注14）を話すのだ。

例えば、拍手にムッとするセリフや不二子を紹介するセリフ、原作では次のようになっている。

こまりますな拍手など……　これは曲芸ではありません

引用元：双葉文庫『ルパン三世』２巻２８話「五ェ門登場」P247

紹介しよう　峰不二子……　わたしのガールフレンドだ

引用元：双葉文庫『ルパン三世』２巻２８話「五ェ門登場」P251

そして、原作には果し状のエピソードや「武士道とは…」のセリフもないのだ（注15）。

＊理由はにまとめた。

（堅物かつ女が弱点なのは、アニメの五ェ門だけ）

また、アニメ第一シリーズの五ェ門は非常に堅物であり、かつ女性が弱点だ。

五ェ門はガールフレンドの峰不二子に好意を持ちつつも指一本ふれない。そして、不二子を清らかな女性と信じ込み、いいように操られてしまう（注16）。まさにウブな「坊や」なのだ。

だが、原作五ェ門の女性に対する態度はごく普通である。

原作五ェ門は、ガールフレンドの不二子に騙されたりせず、むしろその言動を怪しんで彼女をきつくとがめる（注17）。さらに、若い女性とのデートを楽しんだり（注18）、ルパンたちと人妻の寝所を襲ったりと（注19）ウブとも堅物とも言い難い行動をとっている。

唯一、ルパンの命令で百々地邸を襲撃した美女を、「女は殺さない」と言って見逃してやる場面があるだけだ（注20）。

原作五ェ門には、アニメ版の二つの特徴的な性格が全く無いのだ。

＊その理由はにまとめた。

（ひょっとしたら、本当に別人なのでは…）

このように、原作五ェ門とアニメ第一シリーズの五ェ門は、外見・設定・性格などが別人のように異なっている。

その違いは解釈や脚色の範囲を超えた、甚だしいものだ。

なぜ両者は別人のように違うのだろうか？

そこで、調べてみたところ、ある推測が成り立った。

それは、アニメ第一シリーズの五ェ門は、原作五ェ門とは別のキャラクターを原型にしているのではないかという推測である。

つまり、両者は「別人のように」違うのではなく、本当に「別人だから」違うというわけだ。

その別のキャラクターこそ、原作１巻５話「サスペンス・ゾーン」に登場する古郎志先生（ころしせんせい）だと推測されるのである。

（へ続く）

（注1）原作での表記は「五右ェ門」、アニメ第一シリーズは「五ヱ門」、また実在した石川五右衛門と同じく「五右衛門」など、様々に表記されるが、ここでは公式サイトにならい、作品名・タイトル含めすべて「五ェ門」に統一する。ただし、引用文は原文の表記をそのまま引用する。

（注2）双葉文庫４巻４７話「ウハニ」（以下、原作は特に注記がない限り双葉文庫による。）

（注3）２巻２８話「五ェ門登場」、４巻４７話「ウハニ」

（注4）２巻２９話「ブラック・ポイント」

（注5）３巻４３話「殺しのない日」

（注6）４巻６１話「トリプル・プレイ」

（注7）アニメ第一シリーズ第9話「殺し屋はブルースを歌う」

（注8）アニメ第一シリーズ第５話「十三代五ェ門登場」、第７話「狼は狼を呼ぶ」

（注9）アニメ第一シリーズ第５話「十三代五ェ門登場」

（注10）アニメ第一シリーズ第８話「全員集合トランプ大作戦」

（注11）２巻２８話「五ェ門登場」

（注12）４巻４７話「ウハニ」

（注13）２巻２９話「ブラック・ポイント」

（注14）２巻２８話「五ェ門登場」

（注15）アニメ第７話「狼は狼を呼ぶ」の原作は３巻４３話「殺しのない日」、アニメ第８話「全員集合トランプ大作戦」の原作は４巻５９話「きわどいカラッポ」。

（注16）アニメ第一シリーズ第５話「十三代五ェ門登場」

（注17）２巻２８話「五ェ門登場」P251～P252

（注18）５巻６７話「殺ってよかった」

（注19）双葉文庫９巻１１７話『ルパン三世新冒険』「ラスプーチン」でのエピソード。詐欺師ラスプーチンには三人の妻がおり、ルパン・次元・五ェ門は手分けしてその寝所を襲う。五ェ門は妻の一人の衣服を剣で切り裂き、ニヤリと笑って関係を迫るが、撃退される。

（注20）４巻４７話「ウハニ」

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