元々コンプレックスがありまして。
もっと女性らしくて細長くて、その上なかなか折れない強い爪が良かったのに、そうは問屋が卸さず。
短くて薄い小さな爪なのです。しかも反爪、左は特に。だから弱々。すぐひっくり返るし、伸ばしておいた大変。
反爪にはジェルネイルがいいと言われて何度かやったけれど、爪に何かが乗っかってる感じが、どうしても好きになれなくて、バリバリ剥がしたくなるので断念。料理してるときに、んぎゃぁ！！ってなる。
その上、自分でやるかと言うと、本来の超超ズボラな性格が影響して、なーんにもせず。さすがにハンドクリームくらいは塗るけれど。
前にケアしてもらったネイリストさんにも、美容師さんにも、「せめて爪にオイルくらい塗ろうよ」と、ネイルオイルをプレゼントしてもらって、その時はやってはみるも続かず。
なんせ、とにかく長いことじっとしているのが苦手なので、ネイルサロンも美容院も1時間以上いるのが耐えられないと言うこの性格。要するに、時間をかけて美しくなる、という考え方に、ほんとーに向いてないわけだ。
そんなこと言ったってさ、ナチュラルなのが好きだし、別に皆が皆、デコラティブじゃなくたっていいじゃないの、なんて思っていたものの、この間仲良しのメイクさんと飲んでいた時に、しみじみ手を見られて、言われた言葉が思った以上に胸をついた。
「あのね、手先から綺麗にしていくことで、自分の気持ちも変わってきて、女らしくなるんだよ。」
がぁぁぁん…
これまでどれだけ言われたかわからない言葉なのに、今更どどーんと響いのは何故なんだろうか。きっと彼女の人柄。言われる人、言われるタイミングって大きいんだろうな。ありがとう、ねぇさん。
このショックを利用しない手はありませんで。もう2度と来ないかもしれないし。
とりあえず最低限はやろうと思い、反り爪用に前に買っておいたトップコート、ネイルオイルをごそごそ取り出し、あと、爪ヤスリで磨いて、教えてもらった甘皮処理と…
どうしよう、既に面倒くさい。
でも、このときの私の意志は、自分でも信じ硬いほどに強かった。
いそいそとネイルケア製品を検索。私の好きな天然オイルで作られたものが幾つかあって、やさしく甘皮処理出来るという素敵な文句付き。いいかも。よし購入。外堀から埋めるのはとても大事ですから。
しかし、ここが第二関門。勉強と一緒で、教材買っただけで満足しちゃうパターンになりかねない。既に手に届いた瞬間、にまーっと笑って引き出しにしまいそうになったし。
だめだめ！
奮起して、その場でネイルケア開始。
ハンドバスして、甘皮を処理して、爪をヤスリで削って、形整えて…
なんて時間がかかるんだ。
一瞬萎えそうになったものの、ここでも奇跡的にめげず、なんとかトップコートを塗って、オイルを塗って完成まで持ち込んだ。
が、しかし。
なんだかなぁ。
え、何かしたの？と言うような出来栄え。あんなに時間かけたのに。ほんとにお披露目するような出来でも、お披露目するような手でも無いんですが、一応記録に。
ただ、自分の手先を自分でケアしてあげる、ということはすごくいいことな気がして。自分を大事にして、慈しんでいるのというか。自分の、子供の頃から変わらない小さな爪をしみじみ見て、ちょっとだけじわっとくるものがあった。いままで邪険にしてきてごめんね、大事にするから、みたいな。労わりより、懺悔に近いけど。
と言いつつ、この間知り合いのヘアスタイリストさんのお店で、クイックネイルケアを15分！で出来ることを知り、心が揺れ、その上髪を切りながらやってもらえるという、ズボラな私にぴったりな「ながら」ケアだと言うメリットに、さらに心が揺れ。
とりあえず、この素敵な爪のオイルがなくなるまでは、がんばって続けようかと。
神様、これが嘘の宣言になりませんように。
